自分が死んだとき、家族にいくら残せばいいのか。
僕は長い間、この問いを真剣に考えてこなかった。
「2,000万円の保険に入っているから大丈夫」
そう思って20年近く払い続けてきた。
でも保険の見直しを始めて初めて気づいた。
2,000万円という数字に、ほとんど根拠がなかった。
この記事では、遺族年金・団信・現在の貯蓄をすべて含めた「本当に必要な死亡保障額」の計算方法を、我が家の実例をもとに解説します。
死亡保障の必要額の考え方
必要な死亡保障額は、この式で計算できます。
必要な死亡保障額
= 残された家族の生活費の不足分
− 遺族年金
− 団信(住宅ローンの帳消し)
− 現在の貯蓄
「保険だけで備える」のではなく、公的な制度や貯蓄と組み合わせて考えることが大切です。
ステップ①:残された家族の生活費を計算する
まず、僕がいなくなった後に家族が必要とする生活費を計算します。
現在の我が家の月の支出:約41万円
ここから、僕がいなくなることで消える支出を引きます。
| 消える支出 | 月額 |
| 住宅ローン(団信で完済) | 約9万円 |
| 僕のお小遣い・酒代 | 約3万円 |
| 僕の通信費 | 約0.5万円 |
| 新聞代 | 約0.3万円 |
| ガソリン代の一部 | 約0.5万円 |
| 合計 | 約13万円 |
残る生活費:41万円 − 13万円 = 月約28万円
ただし住宅ローンは団信で完済されるため別計算なので、 実質の生活費は 月約16万円 と計算しました。
ステップ②:遺族年金を確認する
会社員が亡くなった場合、遺族には2種類の年金が支給されます。
遺族基礎年金
子どもが18歳になるまで受け取れる年金です。
| 項目 | 年額 |
| 基本額 | 約80万円 |
| 子ども加算(1人) | 約23万円 |
| 我が家の合計(娘が18歳まで) | 約107万円/年 |
娘が18歳になると遺族基礎年金は終了します。
遺族厚生年金
会社員限定で、妻が生涯受け取れる年金です。
| 時期 | 年額の目安 |
| 娘が18歳まで(基礎年金と合算) | 約160万円/年 |
| 娘が18歳以降(中高齢寡婦加算含む) | 約120万円/年 |
| 妻が65歳以降 | 約146万円/年 |
→ 遺族年金の詳しい計算はこちら:[遺族年金はいくらもらえる?42歳会社員の我が家で計算してみた]
ステップ③:不足額を計算する
生活費と遺族年金を照らし合わせると、以下のように不足額が出ます。
娘が18歳になるまでの7年間
| 項目 | 金額 |
| 生活費(月16万円×12ヶ月×7年) | 約1,344万円 |
| 遺族年金(約160万円×7年) | 約1,120万円 |
| 不足額 | 約224万円 |
妻が65歳になるまでの18年間
| 項目 | 金額 |
| 生活費(月12万円×12ヶ月×18年) | 約2,592万円 |
| 遺族年金(約120万円×18年) | 約2,160万円 |
| 不足額 | 約432万円 |
生活費の不足合計
224万円 + 432万円 = 約656万円
プラスアルファで必要なお金
| 項目 | 目安 |
| 車の買い替え | 約300万円 |
| 家の修繕 | 約200万円 |
| 予備費 | 約375万円 |
| 小計 | 約875万円 |
合計の必要額
656万円 + 875万円 = 約1,530万円
ステップ④:団信と貯蓄を引く
| 項目 | 金額 |
| 必要額合計 | 約1,530万円 |
| 現在の貯蓄 | △600万円 |
| 本当に必要な死亡保障額 | 約930万円 |
住宅ローンは団信で完済されるため、すでに計算から除いています。
結論:2,000万円は多すぎる可能性がある
この計算から出た我が家の必要保障額は 約930万円。
現在の死亡保障は2,000万円なので、約1,000万円以上が過剰かもしれません。
ただし、この計算には含まれていないものもあります。
含まれていないもの(保障を増やす方向):
- 娘の進学費用
- 娘の結婚費用
- 親の介護・葬儀費用
- 妻の老後資金
含まれていないもの(保障を減らせる方向):
- 妻の収入
- 退職金・死亡退職金
- 将来の昇給・貯蓄の増加
これらを含めて考えると、1,000〜1,500万円程度が妥当なラインかもしれません。
死亡保障を見直す判断基準3つ
① 加入したのが10年以上前
当時の家族構成・収入・貯蓄と今は違う。必要保障額も変わっているはず。
② 転換している
転換は古い保険の解約返戻金を新しい保険に充当する仕組み。この時点で損をしている可能性が高い。
③ 遺族年金・団信を考慮していない
「保険だけで全部カバー」という前提で計算していると、必要以上に高い保障になりやすい。
FP相談で確認したこと
無料のFP相談で、この計算が妥当かどうか確認しました。
FPから言われたこと:
- 転換している保険はその時点で損
- 死亡保障は毎年減っていく「収入保障保険」のほうが合理的
- 保険より「公的制度+貯蓄+投資」の組み合わせを考えるべき
→ FP相談の詳しい内容はこちら:[FP相談してきた|年間90万円の保険料は減らせるのか]
まとめ
死亡保障の必要額は「感覚」ではなく「計算」で出せます。
計算の手順:
- 残された家族の生活費を計算する
- 遺族年金を確認する
- 不足額を出す
- 団信と貯蓄を引く
我が家の場合、2,000万円の保障に対して実際に必要な額は約930万円という結果でした。
「なんとなく入っている」保険を一度、数字で見直してみることをおすすめします。


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