先日、家族で広島へ旅行に行ってきました。
娘がバスケをやっている関係で、うちはまとまった連休がなかなか取れません。限られた日程の中で「行きたい場所をどう回るか」を組むのは、毎回けっこうな悩みどころです。
そこで今回は、移動中や宿でAIに相談しながら旅行を進めてみました。
結論から言うと、8割くらいは役に立ちました。ただ、はっきり「これは失敗したな」と思った部分もあります。今回はその両方を正直に書いてみます。
役に立ったこと:お店探しと移動手段
まず良かったのは、お店探しと移動手段の提案です。
「この辺で〇〇を食べたい」「ここからここまでどう移動するのが早いか」といったことを聞くと、選択肢を整理して返してくれます。実際に提案をそのまま取り入れた場面もありました。
旅行前に全部調べておくのが理想なんでしょうけど、現実にはそんな時間はありません。移動中のスキマ時間に「次どうする?」を相談できるのは、想像以上に助かりました。
でも、その通りにはいかない
ただし、提案どおりに動けたかというと、そうでもありません。
理由はシンプルで、旅行には人間が関わるからです。
- 予定より時間がかかる
- 子どもが疲れる
- 気になる場所を見つけて足が止まる
- 単純に混んでいる
こういうことが起きると、きれいに組まれたプランはあっさり崩れます。実際、僕たちも途中でいくつかの予定を端折りました。
これはAIが悪いわけではなく、計画というものがそもそもそういうものだと思います。AIの提案は「たたき台」として受け取って、現地では柔軟に崩していく。この距離感がちょうどいいんじゃないでしょうか。
失敗したこと:おすすめされた広島焼の店にたどり着けなかった
はっきり失敗だったと思うのが、食事の場所選びです。
この日は原爆ドームと原爆資料館をまわりました。娘にもきちんと見せておきたかった場所です。見学を終えて、さて広島焼を食べようという流れになりました。
そこでAIに教えてもらったお店へ向かったのですが——とんでもない行列でした。
観光客でいっぱい。外国人の方も多く、とても待てる状況ではありません。結局そのお店は断念して、広島城の近くにあった広島焼のお店に入りました。
結果的にはそこで美味しくいただけたので良かったのですが、「AIのおすすめ通りに行ったのに食べられなかった」というのは、なかなか象徴的な出来事だったと思います。
なぜ「観光客向けのお店」が出てくるのか
なぜこうなるのか、あとから考えて腑に落ちました。
AIは口コミなどの情報をもとに答えを返します。口コミの件数が多く、評価が高いお店=観光客がたくさん訪れているお店になりやすいわけです。地元の人が普通に通っているような店は、そもそも口コミが少ないので、上位に出てきにくい。
そして口コミが多いということは、それだけ多くの人が集まっているということでもあります。混んでいて当然なんですよね。行列を見たときに「そりゃそうか」と妙に納得してしまいました。
つまりこれは、AIの性能の問題というより、僕の聞き方の問題でした。
聞き方を変えればよかった
じゃあどう聞けばよかったのか。反省を込めて書くと、こういう聞き方をすべきでした。
- 「観光客向けじゃなくて、地元の人が行く店を教えて」
- 「有名店じゃなくて、穴場を知りたい」
- 「口コミの多さより、地元での評判を重視して」
要は、「何を避けたいか」を先に伝えるということです。
AIは、こちらが言わなかったことは汲み取ってくれません。「広島でおすすめのお店」と聞けば、素直に「多くの人がおすすめしている店」を返してきます。当たり前といえば当たり前ですね。
次に旅行するときは、この聞き方を試してみようと思っています。
一番の学びは、タクシーの運転手さんからだった
この旅行で、いちばん「へえ!」と思った話は、実はAIからではありませんでした。
移動で乗った個人タクシーの運転手さんが、いろいろと教えてくれたんです。
広島焼の話になったとき、運転手さんはこう言いました。
「本当の広島焼は、そばと豚と玉子だけ。カキとかが入っているのは違うんだよ」
具材を足すにしても、入れるならイカ天がいい——そんな話も聞かせてくれました。
もちろんこれは運転手さん個人の考え方で、お店や人によって色々な意見があると思います。それでも、地元で長く暮らしている人の口から出てくる話には、口コミサイトの星の数とはまったく違う重みがありました。
この運転手さん、広島の歴史にも詳しくて、道すがら色々なことを教えてくれました。正直、AIに聞くよりずっと面白かったです。
タクシーの運転手さんの話は、当たると本当に勉強になる。(もちろん人によりますが)これは今回の旅行での大きな収穫でした。
AIは、たくさんの人が書いた情報の平均値を返してくれます。それはそれで便利です。でも、「その土地に住んでいる人が、当たり前だと思っていること」は、そもそもネット上にあまり書かれていません。だからAIも答えようがないんですよね。
行った先で人と話すことの価値を、逆に教えてもらった気がします。
面白かったのは「夫婦それぞれAIを使った」こと
今回もうひとつ発見がありました。
実は妻も、別々にAIを使って調べていたんです。そして、お互いが出てきた情報を突き合わせながら「そっちはどう出た?」と確認しながら進めていきました。
これが思いのほか良かった。
同じことを聞いても、聞き方が違えば返ってくる答えも変わります。二人分の答えを並べると、どちらか一方だけを見ていたら気づかなかった選択肢が見えてくるんですね。
AIは「一人で使う道具」というイメージが強いですが、家族で使って照らし合わせるという使い方は、けっこうアリだと思いました。ひとつの答えを鵜呑みにしなくて済むという意味でも、安心感があります。
まとめ:AIは「たたき台をくれる相談相手」
今回の旅行でAIを使ってみて感じたことをまとめます。
良かったこと
- お店探し・移動手段の提案は実用的で、実際に採用した
- 移動中のスキマ時間に相談できるのが助かる
- 夫婦で別々に使って照合すると、選択肢が広がる
気をつけたいこと
- 提案どおりには進まない前提で受け取る(人が動くので当然)
- 食事の店は「観光客向け」に偏りやすく、そのぶん混んでいる
- 「何を避けたいか」を先に伝えると精度が上がる
- その土地の人にしか分からない話は、AIには出てこない
AIに完璧な旅程を作ってもらおうとすると、たぶんうまくいきません。でも、「ちょっと相談できる相手」として使う分には、40代の家族旅行でも十分に役に立ちます。
そして今回いちばん心に残ったのは、AIの提案そのものより、タクシーの運転手さんから聞いた広島焼の話でした。便利な道具を持っていても、現地で人と話すことの面白さは変わらないんだなと。
次の旅行では、もう少し上手にAIに聞けるようになっていたい。そして、もう少し現地の人と話してみたいなと思っています。

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